K川様邸
築200年超の古民家をバリアフリーに~家族への思いは伝統をこえて~
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リビングを中窓とドアで間仕切り、玄関の冷気をシャットアウトしました。
広間の障子は造りをそのままに、戸車付きに改造し、敷居・鴨居を取り替えました。鴨居は5.4mあるので、通柱材を横に使い、欄間部分をトラス構造に合板貼りで補強しました。
土間全体をコンクリート仕上にして防水。掃除も楽になりました。隅っこに残っていた藁打ち石はアクセントに残しました。
お風呂への通路は、別に確保しました。
天井の床板を白く塗装したので、暗かった玄関が明るくなりました。
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10年ほど前の改修で、玄関からの目隠しに設けられた正面の障子戸ですが、間仕切りではないので玄関からの風がリビング・台所に抜けていきます。
左側の引違戸は5本引きの凝った作りですが、敷居も鴨居も垂れ下がり、半分しか動きません。
玄関土間は、昔ながらの三和土土間です。お風呂は右側の奥まで土間を経由しなければいけません。
トイレに至っては、別棟にあります。
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壁を撤去して、台所側からバリアフリーで、お風呂に行けるようにしました。
システムバスの1616サイズを取り付け。以前のほぼ倍の広さです。
旧馬屋は、床を設けて脱衣場に変身しました。システムバスの暖房乾燥機で乾かした衣類も、すぐそばでストックできます。
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浴室の手前、台所の隣の物置スペース。梅雨時にはカビが生えるほど湿気がこもります。
その昔は、馬屋だったそうです。
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神様は表側に引っ越して頂き、もったいなくもトイレスペースになり、左隣の寝室からも近くなりました。
玄関横にも洗面台はあるのですが、奥様も使えるように2つめの洗面化粧台。
寝室・洗面・トイレ・リビング・キッチン・脱衣・浴室がバリアフリーとなりました。
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寝室からリビングへの廊下は、奥様がいないうちにモノが散乱。
廊下の天井裏にスペースがありますが使われていません。
右奥は、神棚スペース。0.5坪余りの広さがありますので、もてあましています。
掃き出し窓は、木建具です。大きさが合っていないので、すきま風が入ってきます。
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お客様の家族構成は、寝たきりで施設に入られているお母様・4歳と1歳のお子様、そして脳梗塞で入院中の奥様の5人。
奥様が入院されてからは、下のお子さんを義父さまに預かってもらい、4歳のお子さんとの2人での生活となっています。
ご相談に来られたときのお話では、「ともかく奥様が一人でトイレに行けるようにしてほしい」
「だがしかし、ついでに色々直せたら良いなぁ」とのことでした。
おうちを見せて頂いたら、まず大きいことにビックリ、200坪以上あるらしいです。江戸期以前から受け継いだ家は、先祖代々のものなので、簡単には壊せません。
たくさんあった要望の中から、優先順にまとめて、予算内で出来る最良のプランをつくりました。